チームをトランスフォームするということ:7年の経営経験からの学び

最終更新: 5月28日

今日から、何回かにわけて、私がこのジョイワークス を経営することを通じて学んできたことを振り返り、まとめてみる・・ということにチャレンジしてみたいと思っています。


正直、この記事を書き始めるのは勇気が要りました。大抵のことには「飛び込まずにはいられない」力の方が大きく働くのが私の特徴で、「始めることに勇気がいる」なんてことはそうそうないのですが、このブログ記事に関しては少し違う側面があります。


正直に言えば、恥ずかしいのです。


ジョイワークス は、組織変革をコンサルタントとしてお引き受けしている企業です。その代表が、自分自身の組織の運営に紆余曲折していることを赤裸々に書くということは、流石に、これまでサービスを提供してきているお客様に対して、そして、私たちの活動に興味を持って学びにきてくださっている方々に対して、面目が立たないというか、一種の恥ずかしさを感じるのは、「私も人の子」なんだな・・と思ったりもします(笑)。


でも・・というより、なかなか人が明かしたくない側面があるからこそ(ここはとても私らしいと自分でも感じるのですが)、ちゃんとオープンに書こう・・そう感じ始めたことが、私の学びをきちんと言語化したいという欲求にもつながって、筆をとることができたという次第です。


全ての人が面白いと感じられることではないでしょうし、内容によっては、気持ちが傷つけられたり、気分を害する方もいらっしゃるかもしれませんが、なるべく自分自身の活動や、ビジョンを等身大で書き表したいという私の意思の現れとして、受け取っていただけたらありがたいです。


さて、本題に入る前に、ご紹介したい対比表があります。


先日(5/16)、パートナーのゴールシステムコンサルティングさん、そして、ジョイワークス のブログとして『マネジメントの実務』というリレーブログを綴ってくださった日立製作所の渡辺薫さんと一緒に、オンラインでのWebセミナーを開催しました。


WEBセミナー ポストコロナ時代の仕事、組織、社会のあり方を探る、ニューノーマルとテクノロジー:本当にそれだけで充分ですか?

そのプレゼンの中で、組織で働く人の変化という視点で、Old NormalとNew Normalの対比を描いてみました。これは、私自身が自分の経験や様々な学習を通じて考えていることを表現したもので、どこかにそのような定義があるわけではありませんが、以下の内容となります。


実は、New Normalに書いた事柄は、ジョイワークス が目指している世界観であり、社内で実践を試みている事柄でもあります。そして、書き出してみて、私自身が、ずっとこのような環境で「生きたい」と願ってきた事柄でもあることに改めて気付きました。




手放せない数値目標とコンピテンシーへの要求

そんな世界観を描きながら2013年11月にスタートしたジョイワークス ですが、最近までなかなか手放すことができなかったのが、数値目標です。1年の経営目標として、数字の計算をしない企業はないと思いますが、それを社員の目標と紐付けることを手放すことがなかなかできませんでした。


ジョイワークスは、これまで各自の年俸を自己申告型で申請してもらう方法で給与を決定してきていました。会社の帳簿は全員に全てオープンにしてきているのは創業当時から変わりませんし、私たちの収益は、どういう働きに(サービス)に対して、どのくらいの金額がその評価値としてお客様からお支払い頂くことで作られているのかも、全員が知っています。この収益に対して、ジョイワークス独自の係数を用意し、個人ごとのB/Sを持つ形で、自分自身の社内収益を計算する形にしていました。


難しいやり方ですが、良い側面もありました。

全員が全員の前で自己評価と自己展望を行うわけですが、このやり方は、うまく機能すれば、客観的なフィードバックにもつながります。ジョイワークスという企業の中でやりたいこと、そしてそれによって生み出される売り上げ、利益の数字と、自己の能力評価ということに対して、自分以外の人間が主観を挟まなくても、お客様の評価値としての収益が、それを教えてくれるという見方もできます。


悪い側面は、組織が個人事業主の集まりの様になってしまいがちなやり方であることです。


個人のB/Sを持つという考え方は、その人の働きを単年度で評価するのではなく、継続して生み出している価値を評価しましょう・・という理想が背景にありました。ところがこれを実現するには、上述の、収益にかけている係数が網羅的に用意されていないと、売り上げに直結しない重要な働きをしている人の活動が評価から漏れてしまいます。そのため、誰も明示的にそう言っている訳ではないのに、売り上げにつながりやすい能力を社員に求めることになってしまっていました。


また、顧客開拓から営業、コンサルティングまで全工程をこなせた方が、個人個人の数字目標の達成が確実なものになります。「個人事業主の集まり」と表現したのは、このように、1人で全方位的に物事をこなせる必要があるのが、個人自業主だからです。私自身も個人事業主として仕事をしてきた期間がそれなりにあるので、この働き方がいかに多くの能力を要求されるか、よくわかります。そして、その経験を通じて、私は非常に苦手なことが多くあることも学習できました。つまり、そんなに何もかも都合よくできる人は、そう多くないのは当たり前のことですが、この形で経営することで、1つの目標を目指しているにもかかわらず、結果的に、個人個人が個別に、全方位的に頑張るようなことに繋がってしまっていました。


言い訳をすれば、創業当時は、そんな形で全員が1人立ちできる人材でいることを求めないと、先に進めない時期でもあったとも言えるかもしれません。でも、4年目に入ったあたりから、このやり方が非常に不合理であることを実感しながらも、個人が数値目標を持つ、言い換えると、企業内のメンバーが、経営の数字をあげていくことを一緒に目指してくれることを手放すことが、ある意味怖くて、できないと感じている側面がありました。


まとめると、数値目標を個人個人に科すことは、すなわち、個人個人に全方位的な、特に、売り上げにつながりやすい能力を求めることに直結してしまうことであり、それが最終的に評価制度のないジョイワークスにおいても、社内の暗黙の評価値になっていくということが、本当に恐ろしい繋がりであることに自分で気づくのに時間がかかりました。


全方位的な、特に、売り上げにつながりやすい能力」というのを言い換えると、非常に固定的な視点で見た、万能さを要求することになります。


自分自身が個人事業主の時代に「自分がたくさん持っている不得意なこと」を痛感しているにもかかわらず、ジョイワークスの社内で、それをメンバーに求めていることに猛烈な違和感が湧いてきて、とにかく、会社が目指している数字的な目標は、ひとまずあることはあるけれども、もう意識するのはやめよう、それよりも、メンバーがどうやったらもっと活躍できるのか、輝けるのかだけを考えていこうと強く決心したのは、実は、ジョイワークス の売り上げが落ち込んだことが原因です。


人も社会もそんなに単純じゃない、固定的ではない

売り上げが落ち込んだ時に、逆に数字のことを考えるのを止めるというのは、変な話しに聞こえるかもしれませんね。自分で文字にしてみても、正直、不思議な感覚になります。


売り上げの数値目標を持つことが、固定的な視点で見た万能さを要求することに繋がってしまうことを書きました。


これは、例えば、ジョイワークス が提供している研修の講師としてもっと沢山の案件をこなすことであったり、改革のコンサルティング業務を沢山引き受けることだったり、またそう言った案件を受注することだったりします。講師としての能力、コンサルタントとしての能力、そして営業の能力を育成していくことは大切な要素ですが、これによって数値目標を達成しようと考えた時点で、顧客側・・もう少し言い換えると、社会の中にある課題に対して視点が向かなくなります。


また、講師という職業も、コンサルタントという職業も、「これが活躍する講師である、コンサルタントである」という、固定的なコンピテンシー評価を無意識のうちにも誰もが持ってしまい、社会にある問題や顧客の痛みを探求するよりも、その評価尺度に合わせた自己成長を優先させてしまうことが、この数値目標の背景にある恐ろしさでもあります。


これは、もっともっと多様さのある一人の人という目の前のメンバーが、ある枠組みの中に押し込まれない限り活躍の場がないような、視野狭窄に陥ってしまうことにも繋がると私は実際の経営を通じて痛感しました。


逆から考えれば、人が多様であることは、その様な「人」が構成している社会も同じように多様なのです。その多様な人々が社会でどの様な課題と向き合っているのか、それにどう私たちは手を差し伸べていくのか・・と考えた時に、その方法は、こちらが先に決めた固定的なコンピテンシーが必要なのではなく、メンバーが持つ強みと、意欲が湧く領域をそのまま活用していくことで、その人の本当の力を十分に出し続けることにつながり、また、顧客が求めている様々な要求に柔軟に対応していくことにも繋がるに違いない。そう理解した時に、経営回復のために、数値というのを一回手放すことで、経営に都合の良い万能さを求めることをなんとしてでもやめなければならないという強い決意につながりました。


ジョイワークスはたった5名で運営されている小さな組織です。この小さな組織のメンバーが、周りの人から愛され、共に大きな課題を解決していくことに向かっていかなければ、私たちが目指している、職場という場を喜びに溢れた環境に変えていくことができません。


経営数字を個人目標に据えることを手放し、万能さを求めることを手放す。でもそれだけでは、組織は変わっていきません。チームという有機体をどうトランスフォームすべきなのか。悶々とした悩みの時代がスタートし、結果的に私は3つの方針を守ることに決めました。


続きは、次の記事で・・


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