ヒンデミットの機能和声論に対するウェーベルンの反論をどう思いますか?

「ヒンデミットの機能和声論に対するウェーベルンの反論をどう思いますか?」


1978年(私が大学1年生のとき)の初夏、同学年の文学部哲学科のメガネ女子から、こう言われた時のことを、いまでも鮮明に覚えています。(私は理工学部物理学科でした)

何のことか分かりますか? 私がなぜ、40年後の今でも鮮明に覚えているか想像がつきますか?


おそらくほんどの人にとっては「何のことか、まったく分からない」と思います。

ヒンデミットもウェーベルンも20世紀を代表するクラシックの作曲家です。

で、何か分かりますか? たぶんこの情報があっても、まだまだ「?」のはずです。

Wikipediaでヒンデミットとウェーベルンを調べてみましょう。


まだまだ「?」のはずです。


録音でヒンデミットとウェーベルンの代表作をいくつか聴いて見ましょう。

クラシック音楽のファンであれば、同時代に生きた二人の作曲家の位置づけ、共通点、相違点を感じられると思います。


で、どうでしょう。何か分かりましたか? 何か感じられましたか。


「ヒンデミットの機能和声論に対するウェーベルンの反論をどう思いますか?」


これは、竹宮惠子(漫画家:京都精華大学元学長)の書いた「変奏曲」という漫画に出てくるセリフです。漫画を読むと、この物語の背景、ストーリー、そして、どのようなシチュエーションでこのセリフが発せられたかが分かります。


もう少しです。ここまでの材料に加えて、1970年代後半において萩尾望都や竹宮惠子が、どのような読者に、どのような受け入れられ方をしていたか、という時代背景を知ることができれば、私が「今でも鮮明に覚えている」理由が、想像できるようになるのでは、と思います。


あ、でも、中高と男子校で、女性のほとんどいない理系の大学に進学して、研究室にこもりっぱなしで、サークル活動とかでも女性と接点がほとんどなく、少女マンガを読んだこともなく、もちろん大学卒業時点で彼女イナイ歴22年以上の男性とかだと、やっぱりわからないかも…


念のため……こうした背景を十分に知っている人であれば「哲学科のメガネ女子と恋愛関係に至ることも無かった」と容易に想像がつくはずです。


何らかの知識・文章・表現を理解する際には、その周囲の膨大な関連情報や経験が必要となるということを感じてもらうために、ほとんどの人が「?」となる極端な例を使ってみました。


マネージャーのみなさん、部下に対して「ヒンデミットの機能和声論に対するウェーベルンの反論をどう思いますか?」のような、分かりにくい説明をしてしまったことはありませんか? 私は、あります。


部下が持っている知識は、マネージャーの豊富な知識には及びません。部下に何かを伝える際には、あらかじめ部下が何を知っていて、どのような経験をしてきたかに思いをめぐらせ、新しく伝える知識・情報とうまくつなげてあげることが大切です。とても難しいことですが、そのように心がけ、努力していくことで、部下からの信頼が増すのではないかと思っています。

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