公共に振り回される地方の建設業

前回はこのような話をしました。

今日は建設業における、公共と民間の視点で見ていきたいと思います。


私はこれまで福祉の人財育成に関わってきました。社会人になってすぐの頃、とても驚いた出来事があります。障害を持つ人たちのより良い暮らしを実現するために、ある法人は厚生労働省の動向に注視し、必要とあらば代議士へ交渉しに行っていました。また、ネットワークを作って政策提言をするなど国と交渉することで、福祉サービスの新たな枠組や、単価設定に影響を与えるという活動をしていたのです。いわゆるロビーイングです。


それまで、私たちの生きている時代は、資本主義の中で市場経済の原理に従って機能しているとばかり思っていましたが、福祉というものは国の方針一つに直結しているのかと驚いた経験でした。(今となっては、いかに社会を知らなかったか、恥ずかしい話です)


そして、今、地域建設業に従事する方々のサポートをさせていただく中で、改めて地域建設業も国や自治体に振り回される経験をしてきているということを感じています。


しかし地域建設業は、サービスの単価を福祉のように決められているわけではありませんし、公共工事だけでなく民間工事の案件も受注しています。下の資料からもわかるように、国全体の建設投資の内訳から見ると、公共投資よりも民間投資の額が多いのです。



出典 http://www.mlit.go.jp/common/001240810.pdf


でも、この民間投資は、地方へどのくらい落ちているのでしょうか。地域別の資料を見てみると、都市部に比べて地方は公共工事の割合が高くなっていることがわかります。



出典 http://www.mlit.go.jp/common/001172541.pdf


さらに、企業規模から公共工事の割合を見てみたいと思います。全国建設業協会の会員の割合のうち76.8%(つまり3/4!)を占める資本金1,000万円〜5,000万円の企業の層は、元請完成工事高における公共工事の割合が40%以上となっているのです。他の層に比べてみると、公共工事への収益の依存度が高いことがわかります。




ここから見えてくるのは、都市部以外の地域建設業は、収益全体の半分近くを公共工事に頼っているということですが、成熟期に入った日本は、公共工事がかつてのように激増することはあり得ないでしょう。

また、公共工事の受注割合が多い地域は、実は民間工事の数もそう多くはない傾向があることがグラフからわかります。つまり、「何か新しい手をうつ」ことが必要になってくるのです。


だからこそ、「社員全員で知恵を絞りたい」と考える社長さんもいるでしょう。しかし、社員は自ら経営的な視点で、新たなことを考えるといった方向にはなかなか動いてくれません。それは業界の特徴として、長い間、社長(往々として先代の社長)が一生懸命考えて、会社の経営を強いトップダウンで行ってきたという文化が、その組織の中で学習されているからです。


また、「もっと、全体最適で利益率にこだわって欲しい」と考える社長も多いと思います。これも、多くの場合、現場を守る親方が長いこと自らのやり方でその城を守るように仕事をしてきた背景から、なかなか「全体で」考える方向に動くことが難しいという文化的背景があります。


オリンピックで建設ラッシュとなっている都市部も含めて、2020年以降には、建設案件の量はぐっと減ってくるでしょう。変革は待った無しのタイミングである今こそ、ちゃんと立ち止まって、自社の存在意義、強み、そして経営やマネジメントと、叶えたい状態が本当に筋がとおったやり方で繋がっているのか。社長自らが時間をとって、向き合うべきタイミングは今しかないと思われます。それにより、長い時間をかけて積み上がってきている組織文化を、より柔軟で、動きやすい体質に変えていく必要があるのではないでしょうか。


文化を変えることは簡単ではありませんが、決してできないことではありません。しかし、外圧だけでは変化は生まれてこないのも事実です。だからこそ、変革に向けた社長のリーダーシップが必要なのです。


社長同士、安心して等身大で考える場を用意しました。私たちのこれまでの経験から、どのようなプロセスで考えるべきなのか、また見落としがちなポイントはどこなのか、建設業界ならではの状態を加味しながら、社長が思考し、どのようなリーダーシップが必要なのか答えをだすサポートをご提供できます。


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