地域建設業の技術者の交差点を作る

建設業のお客様をご支援させていただく機会が多いジョイワークス。この度、ことづくりの建設技術者を育成する「和合館工学舎」が開校しました。株式会社小野組の技術顧問であり和合館工学舎学舎長を勤める今西肇さんにお話を伺いました。


一般社団法人 和合館工学舎学舎長 / 今西肇さん

様々なフィールドでキャリアを積み上げながら作り上げた構想

J(ジョイワークス):和合館工学舎の開校、おめでとうございます。新聞記事も拝見しましたがたくさんの人が集まった素晴らしい会になったようですね。最初に、この和合館工学舎開校の経緯を伺いたいです。


I(今西さん):大学の教員を勤め、学生を指導していましたが、定年退職となったときにやりたいと思ったのは社会人の教育でした。グローバルでしっかり考える人を日本からたくさん排出したい。何かいい教育機関はないかと探したがなかなか見つかりませんでした。ないなら作ろうというアイディアを小野組の社長に話したら意気投合。ついに開校がかなったという経緯です。


実は私は多くの転職をしています。大阪工業大学大学院で土木工学を専攻し修了し、昭和51年春、オイルショックの年に就職したのですが、大企業の採用は軒並みゼロ。今でいうベンチャーのような小さくてもユニークな専門工事会社に入り新しい工法開発などを行いました。その後、(一財)地域地盤環境研究所において地域の地盤分野の課題の研究を行いました。そして、国際的な建設環境を確認することも考えながら、韓国の三星物産(株)建設部門で技術顧問を務め世界各国の課題解決を行いました。また、シンガポールの都市開発案件の営業も手掛け、国内外飛び回って土木関係の様々なところで仕事をしてきました。


九州における地域地盤環境研究所の拠点である九州地盤環境研究所で所長をしてた時に、事務所の立地が今回の和合館工学舎の原点です。毎年8月1日に福岡市大濠公園で花火大会が開催されるのですが、大学の先生や、市や県の職員、建設コンサルタントや元請会社、調査会社の人たちや下請けと呼ばれる会社のおやじさんなどが50人くらい集まって、お弁当を食べながら歓談しながら花火大会を楽しみました。それぞれの組織の中だけでは、様々なアイディアを形にすることができなくても、こうした場で自由に話すことができると会話が弾むんです。これが、和合館工学舎の「技術者の交差点」という構想の原点になっています。

トータルマネジメントができる” Engineer”を育成する

J:和合館工学舎では現在技術士養成講座が開かれていますが、今後多くの講座が予定されていると伺いました。和合館工学舎が育成する技術者はどんな技術者なんでしょうか?


I:日本で「技術者」と呼んでいる仕事には3種類あると思います。エンジニア、テクノロジスト、テクニシャン。それぞれが区別されずに語られてしまうのが問題です。


J:3種類の技術者はどのような違いがあるのですか?


I:ひとつの分野でものを作る技能、作る作業の確かさを誇るのがテクニシャン、分野に特化した多くの最先端知識とその知識の応用力を持っているのがテクノロジスト、そして幅広い知識とマネジメント力をもってオールマイティな総合力を発揮していくのがエンジニアです。それぞれの技術者にその責任と能力に見合う報酬と社会的地位を得られる世界を作りたいのです。


和合館工学舎では、自然科学の分野に限らず、社会のことをよく知り、社会問題の解決を引っ張っていく建設の” Engineer”を育成していきたいと考えています。


J:社会をつくる技術者、ということですね。


I:土木は政治、建築は経済を引っ張ると考えています。よりよい社会の基盤を作る土木や建築の技術者の育成を目指します。単に地面、建物などのものをつくるだけでなく、社会をつくる、未来をつくる仕事をする技術者です。そのためには人間の気持ちといった今まで建設から遠かったものも含めたような、総合的なエンジニアリングが必要なのです。


人生はステージ制。いくつになっても「次は何しよう?」を考え続ける

J:今西さんは、先に伺った職歴も豊富で、ソウルでも「日韓交流おまつり」の運営委員長などもされていて、とても多くの挑戦をしているようなのですが、たくさんの人と出会い、挑戦し続けられる秘訣は何でしょうか。


I:私は、人生はステージ制だと思っています。定年で社会人が終わると考えていない。社会人になってからも、職業人、国際人、教育人とステージを変えてきました。そして大学教員として定年を迎えた時に選んだのは知を育てる知育人です。これからもまた新しいステージに移ることがあるかもしれません。


また、人との出会いはとにかく自分が恥ずかしがらずに出ていくことでしょう。自分が場違いではないかとか、行く前には様々なことを考えて大変な思いをするのですが、一旦その場に行ってしまえば前に進むしかありません。知ったかぶりをせずに知らないことは教えてもらいながら、自分のフィールドを交えて意見交換すれば、新しいことを発見したり、何かしらの交流が生まれたりするものです。


たまたま私は、オイルショックやリーマンショックの影響がある時期に職を探すというタイミングになりましたが、その不運を社会や人のせいにするという思考回路がないんですね。いつでも何かを始める前の計画段階は非常にワクワクしています。きっとこれを機会に飛躍しろってことだなととらえて、「じゃあ、次は何をしようか?」と考えます。今取り組んでいる和合館工学舎についても、大きな挑戦ですが始める前のワクワクを超えて開校することができました。今は「10年後はどうなっているかな、どうしていこうかな」と常に「次は何をしよう?」と心躍る気持ちで考えています。


ジョイワークスへの期待と共通点

J:最後に、今西さんにとってジョイワークスってどんな会社でしょうか。


I:ジョイワークスさんには1年ほど前からの小野組の管理職研修でお会いしましたが、非常にたくさんの啓蒙と大きな影響を受けました。私自身もそうですが、今に満足せず、ひとつ終わったとしても満足しないで新たなスタートととらえていますよね。そういうところがすばらしいと思います。これからジョイワークスさんがどういう風になっていくのか、興味津々です。


和合館工学舎も形はできましたがこれから魂を入れていく段階です。様々な人と話をしながらみんなで作っていかなければなりません。受講生、技術者や、様々な方々と一緒に作っていきたいと思っています。


J:ジョイワークスの”We”の考え方と同じですね。


I:まさにそうなんです。九州地盤環境研究の所長をしていたころから、技術者が集まって、社会のために何ができるのかを考えて、みんなで作っていくのがよいと思っていました。和合館工学舎もそういった”We”の場にしていきたいと考えています。


仕事は人生の多くの時間を占めるものです。仕事はいつでも楽しんでやっています。もちろん苦しいこともありますが、その先に夢を見ています。そういう意味でも、ジョイワークスさんの“Joy of Work”と共通していますね。



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