「本気研修券」のその後:対話で作るチーム文化〜スケールするチームは対話から始まる〜

最終更新: 2019年7月2日


「本気研修券」のはじまり

2017年12月4日(月)、ジョイワークスは、本社移転イベント ”Dialog for the future”を開催しました。その際、ご参加いただいた方々へのささやかな贈り物として、ジョイワークスが本気で行う研修を無料で受けられる、「ジョイワークス本気研修券」を抽選でプレゼント致しました。ここでは、そのチケットを受け取った方のお一人、柴橋さんがどのようにチケットを活用してくださったのかをお知らせします。


<当選した柴橋氏・・だが・・>

「当選したものの、自分もコンサルタントという立場ですので、この券の使い道がよくわからず、友人の高柳さんなら活用してくれるかな・・と相談してみました。高柳さんから、それならいっそ、ジョイワークス吉田さんと高柳さん、私の3人でこれまでにない研修を開発することに、この券を使えないかとアイデアをもらい、3人でのワークショップ開発が始まったのです。」


本気研修の開発

柴橋さんが相談を持ちかけた高柳さんは、研修やワークショップのファシリテーターをされています。お客様の課題を伺って、研修やワークショップを設計するなかで、ある課題が見つかったので、それを解決する研修を3人で開発したい、とテーマを持ち込んでくださいました。


「組織が大きくなり、階層が多層化することが決定したチームがあります。現リーダーは、これまで1 on 1ミーティングなどを丁寧に行い、チームメンバー一人ひとりと向き合う時間を作りながら、チームそのものが自走する環境を生み出してきていました。しかし、今後は階層が増え、そのリーダーは、複数のチームを見るマネジメントの立場になり、新たなチームリーダーが誕生します。『果たして、これまで自分が育んできたチームのあり方は、このままバトンを渡せばうまく展開されていくのだろうか?』そんな漠然としたリーダーの不安を解消でき、同時に、組織の成長がスムーズに進んでいくための、大切なスタートポイン トになればと考えています。」


もともと柴橋さんの頭の中にもあった、「仕事において、自ら意欲を持って行動を起こしていくには」「自走する組織とは」といった事柄にもつながるテーマが提示され、3人の探究心がむくむくと湧き上がってきました。

この様な経緯で始まった本気研修の開発プロジェクト。5月から数回のオンライン、オフラインのミーティングを重ね、ワークショップを作り上げていきました。


しかし、この3人でワークショップを設計するのは初めての取り組みですし、そもそも、3人のスケジュールが合う日も多くありません。この状況を乗り越えられたのは、もともと研修そのものや、内製化のファシリテーションをしている高柳さんの素晴らしい段取りと、打ち合わせにおけるファシリテーションの威力でした。日々多忙なメンバーが、最小限の負担で、最大の成果につながる、ファシリテーターとしての関わりは見事なもので、毎回のミーティングでは、3人の持つ知見や、経験が存分に引き出され、非常に効率よく開発は進みました。柴橋さんがお持ちのNVCや森田療法、ナラティブアプローチなどの知見、ジョイワークスの持つ組織開発、マネジメントの知見が非常にうまく融合され、高柳さんの現場感とファシリテーターとしての視点が加わることで、研修開発の場は、非常に刺激的な学びの場、創発の場となりました。


今回、開発した研修の中核となるアイデアは、チームのパフォーマンスを考える際、私たちは、多くの場合、目に見えるタスクと、それを実施するスキルに最初に目がいくということが本当に正しいのか・・という課題意識から生まれてきました。


「何がメンバーの相乗的なパフォーマンス発揮を阻害しているのだろう?」


その脳裏に浮かんでいるのは、個々のメンバーのスキルや経験ではないでしょうか。確かにタスクや、メンバーのスキルは、パフォーマンスを決定する要素の1つです。しかし、チームのパフォーマンスや成果は、実際、そのチームの持つ目に見えない部分に依存することが多いのです。目に見えないもの・・つまり、チームの文化や風土です。これらが私たちの行動の選択、意思決定を無意識のうちに制御し、またその中に加わった人たちは、無意識のうちに、その文化、風土を学習していきます。つまり、チームの中には、言語になっていないチーム独自のルールが存在している様なものなのです。


この様な “非言語ルール” の配下で、チームの各メンバーは、大小様々な意思決定をし、その活動は動的に連鎖していきます。チームの現状の文化、風土がどの様なものか、その文化を構成している私たちは、どの様な関係性にあるのかを言語化することで、まずは、今の状態を明確に認知すること。そして、現在の組織デザインの中で、意思決定に必要な情報をスムーズに促し、迅速に活動を進めていくには、何を変えてはならないのか、あるいは変えるべきなのかを相互に理解することからスタートすることで、チームの新しいリーダーたちは、前進するために大切なことを明らかにでき、また同時に、安心して自らの活動を推し進めていくことが可能になると考えました。


これらのアイデアは、社会構成主義をベースにした氷山モデル、R.リッカートの提唱した「連結ピン」*1、H.ミンツバーグの提唱した「マネジャーの10の役割」*2などの理論がベースになっています。


*1: 『組織の行動科学―ヒューマン・オーガニゼーションの管理と価値』 R・リッカート(著) 三隅二不二(訳)白桃書房 1964 年


*2: 『マネジャーの仕事』 ヘンリー・ミンツバーグ(著) 奥村哲史、須貝栄(訳)白桃書房 1993 年

【サイバーエージェント様 トライアルワークショップ】


9月28日(金)、高柳さんのお客様であるサイバーエージェント社員の3名の方にご協力いただき、本研修のトライアルワークショップを実施させていただきました。当日の様子を交えしながら、研修の具体的な内容をご紹介します。


改めて自己紹介から

普段から同じチームでマネージャとリーダーとしてお仕事している3人。会話の多い職場なのでお互い今更知らない事なんてない、と最初は戸惑いながらも、「JTW理論(「実は私」を頭につけて自己紹介すること。ジョイワークスが “JTW” と命名)」を使った自己紹介からワークショップはスタートしました。少しずつ意外な素顔や知らなかった事実が共有されることで、自然に質問も生まれ、お互いのことをより深く知り合うことにつながったと同時に、「知らないこと」があるのだということが認知されました。


前提知識の共有

ワークショップのテーマを、「対話で作るチーム文化〜スケールするチームは対話から始まる〜」とした通り、このワークショップは、最初から最後まで対話し続ける様な構成になっています。効果的な対話をしていただくために、


以下の2点をあらかじめ短時間で学習しました。

  1. 「スケールするチーム」を組織デザインの中で捉えるため、マネジャーやリーダーは、ヒエラルキー組織の構造を機能させるためにどの様な役割を担っているのか、またそれぞれの役割が、どの様な連鎖によって効果的に機能するのかを学習しました(前述の「連結ピン」、「マネジャーの役割」より)。

  2. メンバーの行動、その背後にある意思決定に影響を及ぼす組織の文化や風土について、氷山モデルを使って学習しました。


対話1

簡単なインプットのあとは、自由に対話していただきました。当日メインファシリテーターを務めた柴橋さんは、組織文化の説明をしたあとは、ファシリテーションを必要最低限に留め、参加者の3名には、学習したことと、組織の現状について、自由にアウトプットしてもらいました。この間、高柳さん、吉田の2名のファシリテーターは、会話の内容やメンバーの様子を観察しながら、今話されていること、テーマに上がってきていないことを分析していました。自由度の高い対話の中には、ありのままの文化、関係性が現れてくるからです。


インターバル(小休憩)

ひとしきり話して、少し振り返ったあとは小休憩。ファシリテーターの3人が対話の状況をレビューし合い、後半での対話のテーマと方向性を議論しました。対話の中で、話されていたことは何か。話されていなかったことは何か。それが意味することはなんだろうか。ファシリテータが場を観察する力が問われます。短い休憩時間の間に、フィードバック内容をまとめました。


対話2

前半が、会社全体の文化や、習慣、強み/弱みという大きな話が多かったため、後半は、自部門・自チームの文化とチームの未来を、自分を主語にして語り合ってみようという方向性でスタート。職場で起こっていることや、ありたい状態など、よりリアリティのある対話展開になり、前半以上に白熱した時間となりました。

フラットな組織で1on1中心のマネジメントから、階層化した組織になっていく、そしてその中間のリーダーが入れ替わったり増えたりする際に素早くリーダーが「連結ピン」として機能できるしくみや文化が大切。最初は、失敗しながら、内省して、覚えていくしかないものだから、失敗はダメだと言う空気になると危険だ。社内の「セカンドチャンスがある」という文化をフルに活用するときだ、などメンバー内で納得感が深まったところでちょうどタイムアップ。


ワークショップの簡単な感想を伺って、クロージングしました。


参加者の感想

Kさん:いつもかなり対話しているつもりだったけど、このフレームとテーマで話せてよかった。どうやってこの文化を伝えていけばよいのかという課題を見つけられてよかった。


Tさん:挑戦させてもらって失敗してもセカンドチャンスがあるという文化には自分自身かなり助けられている。他の人に伝える努力は今までしてなかったけどしたほうがいいことに気がついた。


Hさん:連結ピン(新任リーダー)になって結構不安だったということを、自分でも明確には認知できていなくて、あまり伝えられてなかった。今日は伝えられたことでアドバイスをもらえてよかった。


・・・・・・・

最初にアジェンダを固めずに話しはじめるスタイルに、少し戸惑いがあり、「これでいいのかなと思っていた」というご意見もありましたが、出だしは、とにかく自由に話してもらうことで、チームの状態をファシリテータが判断し、小休憩で対話の方向性を提案するという順番で、見事に会社、職場・チームの文化が言語化され、確認され、またその課題発見につながる有意義な時間になったと好評価をいただきました。


昨年の本社移転イベントの景品から生まれたこのワークショップを、今後ジョイワークスとしてもさらに発展させていきたいと思います。


現在、本研修は、「ケンカできるチームをつくるワークショップ」として提供中です。

ご興味のある方はお問い合わせフォームお気軽にお問い合わせください。


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