目的の共有と組織の力

吉田です。


日立の渡辺薫さんとのリレーブログ、『実務者が語るマネジャーの仕事』の記事として投稿します。


参考:『目的の理解


先日、人の力を組織的に生かし、活動を促進して行くものは何かということに関して、極めて興味深い洞察を、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の著書、『ホモ・デウス』で見つけました。


ーーー引用 ここから


“サピエンスが世界を支配しているのは、彼らだけが共同主観的な意味のウェブ-ただ彼らに共通の想像の中だけ存在する法律や様々な力、もの、場所のウェブ-を織り成すことができるからだ。人間だけがこのウェブのおかげで、十字軍や社会主義革命や人権運動を組織することができる。”


ーーー引用 ここまで


つまり、私たち人間が協働して、組織として何かを成し遂げられるのは、想像上のイメージを共有することができるからだと言うのです(ハラリ氏は、この共に描く想像上の現実を共同主観と呼び、それはコミュニケーションに依存していると解いています)。


目的を共有するということは、ある未来の姿を共に実現しようとすることと同義であろうと思います。


重い病気の治療が可能となる世界を実現することも、晩御飯の時に楽しい会話が続くことも、全て、未来における望ましい状態であり、まだ実現していない想像上のイメージです。それを共に描き、実現に向けて共に努力することが、「目的の共有」と言えるでしょう。


なにをするにも「目的」が重要であるという話はしばしば耳にすることですが、これが人間だけがもつ意味づけの力であり、それを他者と共にイメージできる能力によって、人間は過去にも様々な集団の力を発揮してきました。


決して望ましいことではないですが、例えば「戦争」といったことにも意味づけがなされ、目的として誰もが納得していれば、それは大きな組織だった活動として成し遂げられてきました。


だからこそ(チームとしての力を存分に生かすという意味において)、未来の “望ましい状態” を描き、意味づけて、目的として正しく理解すること。それをコミュニケーションを通じてマネジャーとチームが共に行い、お互いの理解をすり合わせること、目的の理解に誤りがないかを確認して行くことに時間を省いてはならないのではないということだと思います。


また、仕事を割り振るだけ、担当を決めるだけ、スケジュールを伝えるだけでは、"仕事"ではなく、”作業” にしかなりません。チームが自らの役割を定義できるような、良い目的の共有と、誰もが役割を果たせるような支援があることで、相互に助け合いながらも自律したチームになって行きます。

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