自分を知るという難しいワザ

吉田です。


日立の渡辺薫さんとのリレーブログ、『実務者が語るマネジャーの仕事』の記事として投稿します。


参考:『仕事を遂行する上で必要十分な知識(その2)


「相手の立場に立って考える」ということを、耳にすることがあります。確かに、何かをリクエストしたり、自分の主張を通したいと思った時、まずは相手の立場に立って考えてみることは、とても重要なことでしょう。


  • 部下に指示を出す

  • お客様に提案する

  • 部長に報告する

  • 家族にお願いする


なんにせよ、活動を起こす時に、周囲に対する影響を考えられる人は、物事をうまく進める力のある人と言えるでしょう。しかし、相手がどう物事を受け取るのか、相手がどのような反応を示すのか、予測することは、そう簡単ではありません。


だって、相手は、自分とは異なる人間なのですから・・・・


さて、ここで気になるのは、「では、自分のことだったらわかるのか?」という点です。


そりゃあ、自分のことですから・・・


と、言いたいところですが、自分が物事をどう見ていて、それが人とどのように違っていて、それに対して、どのような感情が渦巻いていて、その結果、どのようなアクションを取ったのか・・・ということを、ちゃんと認識できるというのは、なかなかの神業です。


このように、自分の行動や気持ちの動き、考えを、あたかも他人が見ているように認知することを、メタ認知と言います。


(参考)ウィキペディア『メタ認知


チームがうまく成果を出せていない時、ついつい視線は、部下の行動に向かいがちです。しかし、仕事の場に於いて、メンバーが完全に単独で仕事を進めていることは、ほとんどないはずで、成果を出すことは、本人の能力の優劣 "だけ" で決まるとは言えないと考えた方が現実的です。その人の周りにいるチームメンバーやお客様との関係性の中で、うまくその人の能力が引き出されていることもあれば、全く逆のパターンもあります。


そういった他者からの影響ということに於いて、マネジャーがチームメンバーに及ぼしている影響は、プラスの方向にも、マイナスの方向にも、自分が考えているより大きいのです。


だからこそ、自分の判断や振る舞いと、チームメンバーの活動との関係性を深く考えるために必要な力が、このメタ認知という能力です。


メタ認知を高めるには、振り返って、その時の気持ちや、判断を取り出してみるのが良いでしょう。


「あの時、どんな気持ちだったかな?」

「自分にそう思わせていたものは、なんだろう?」


「あの時、どのような判断をしたのかな?」

「その判断の源はなんだったのだろう?


簡単な質問ですが、自分にそう思わせていたもの、判断させたものはなんだったのか?と、もう1人の自分が問うように考えてみると良いでしょう。


それによって、自分自身が感情や行動を取り出して考え、自分自身で扱うことが徐々にできるようになっていきます。


メンバーの判断が適切ではないと感じた時に、どのような介入が効果的なのか。人は、自分の感情や直感に反応してしまいがちですが、反応ではなく、感情や、直感的な判断を認知し、感情を引き起こしているもの、判断の源となっていることを、一旦見つめ直すことができるようになることもマネジャーに必要な力と言えます。それによって、メンバーが必要としている関わり方を冷静に選択することができるようになるからです。


「相手の立場に立つ」ということは、簡単ではありません。相手が置かれている状態に意識を向けることも難しいですし、"さらに"、自分自身の内面で起きていることを認知することも難しいからです。


そして、難しいからこそ、マネジメントとはやりがいのある仕事と言えるのではないでしょうか。(^^)

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