自律し、意欲ある社員を増やすには

吉田です。


日立の渡辺薫さんとのリレーブログ、『実務者が語るマネジャーの仕事』の記事として投稿します。


参考:『目的の正しい理解へ向けて(その2)


社員のモチベーションやエンゲージメントについて、悩みを持つマネジャーは多いものです。意欲を持って働いている人と、そうでない人のパフォーマンスが異なるのは当然でしょうし、それだけではなく、モチベーションやエンゲージメントの低い人がチーム内の別のメンバーに及ぼす、負の影響も大きいと言えます。


では、モチベーションとはどのような時に向上するのでしょうか?


私は、学校教育において、様々な改善、改革している学校の先生方との繋がりがあり、周期的に、学校訪問を行ったり、意見交換をしたりしています。


ある時、高知県のある高校を訪問した際、入学時には勉強にも熱が入らず、自己肯定感がとても低かった生徒たちが、プロジェクト型の授業に参画していく中で、みな前向きで自己肯定感の高い生徒に成長していっているケースに出会いました。


面白かったのは、卒業生のインタビューを行うと、ある問いに、皆同じ返答をしたことでした。


その問いとは、


「どこで自分は変わったと思う?」


という質問です。


卒業生同士は、学年も違い、繋がりがあるわけでもないのに、非常に多くの生徒が以下のように答えました。


「自分のアイデアを言えた時」


最初は、皆、プロジェクトなんて、やる気もなかったし、仕方なく参加していたのだそうです。プロジェクトとは、例えば、自分の地域を歩く街歩きなどで、観光客を連れて案内して歩くようなものだったりしました。


しばらくの間、嫌々でもプロジェクトに参加していると、やる気のない自分の観光案内にも、観光客が真剣に耳を傾けてくれていることに心を動かされて、少しでも良いものにしたいという感情が芽生えるようです。そして、プロジェクトの振り返りや企画をしているときに、


「こんな風にしてみたらいいんじゃない?」


と、アイデアが言えた時から、自分は変わっていったというのです。


仕事に置き換えて言えば、言われた仕事をタスクとしてこなしているときは、モチベーションも上がらないけれども、チームで改善点を見つけて、より良いものを志向していったときに、「自らの仕事」として主体的な関わりが生まれ、その先に自己肯定感が芽生えて来たとも解釈できます。


正確なデータを取ったわけでもありませんし、ある特定の高校の取り組みに関して、何年間かの卒業生に対してヒアリングを行っただけのことですので、対象者に偏りもあるでしょう。


しかし、人は、自分で考えて、アイデアを言葉にして、それを実施したとき、つまり、自らの決断で動いたときに、仕事にモチベーションが生まれるということは、内発的動機付け研究の第一人者である心理学者のエドワード・L・デシ氏も、その著書『人を伸ばす力―内発と自律のすすめ』において、分析結果を以下のように述べています。


「人が自律的に生きているかどうかの鍵となるのは、自分自身の選択で行動していると心底感じられるかどうかである。それは、自分が自由だと感じる心理状態であり、いわば行為が行為者の掌中にある状態ともいえる」


手段が目的化してしまい、行動を指示してしまうマネジメントと、目的を明瞭に伝え、チームがその達成に向けて自らの考えで行動を選択することを支援するマネジメントを行うことには、自律的で、意欲を持って活動するメンバーを増やすことにおいて、大きな違いを生み出すことに間違いはなさそうです。


皆さんは、どう思われますか?

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