戦略人事に転換する⑧:世界の人事制度の潮流
更新日:2021年2月24日
パフォーマンス・マネジメントの変化の潮流を3つの層でとらえると以下のとおりとなります。
1.人事制度や運用するための仕組み・ツールの変化
①ノーレイティング(評価段階付けを廃止する)
②ノーカーブ(あらかじめ定められた分布率に当てはめる相対的評価を廃止する
③報酬決定におけるマネジャーの裁量拡大(評価段階に応じて自動的に報酬を 決めるのではなく、マネジャーの裁量部分を増やす)と頻繁なカンバセーション (マネジャーとメンバーのカンバセーションの頻度と質を高める)
2.戦略・カルチャー・マインドセット
· 人事制度をつうじて実現したいカルチャーや戦略、マネジャーや従業員の マインドセット、実現したいマネジメントのあり方や働き方のマインドセットが 必要である
· VUCAの時代になると、だれも正解を知らない環境のなかで自律的に仕事を進め ながら、個人のがんばりではなく、コラボレーションによる創発をつうじて価値 を生み出すことが大切になってきている
3.人と組織・社会の哲学に対する転換
· 「主体性を高める」「リーダーを育成する」「ビジョンを浸透させる」 「従業員のやる気を引き出す」といった言葉の背景には企業中心にとらえた 「カンパニーセンタード」というフィロソフィーがある
· 「メンバーの成長を支援する」「主体性を解放する」「機会を提供する」 「経験を最大化する」という言葉に象徴されるように、 従業員の視点でとらえる「ピープルセンタード」というフィロソフィーへの転換 である
参考文献:『時代遅れの人事評価制度を刷新する』タムラ・チャンドラー(著) 阿諏訪博一(監) ヒューマンバリュー(訳)
Kommentare