アクションラーニング⑤:「学習する組織」になるための実践的方法論としてのアクションラーニング(その2)

本日もデイビッド・A.ガービン著の「アクションラーニング」(2002年ダイヤモンド社)からの学びをご紹介します。


学習の内容を知識から現実の問題を教材に変えれば、学習者にとってモチベーションとなるのは明らかで、第一線に立たされることになります。

チームとして「やらなければならない」プロジェクトを携えて研修に参加すれば、はるかに大きな成功が得られます。


従来型の研修では教室と職場の区別がほとんどないため、参加者は「当時、向こうで」の問題となりますが、アクションラーニングならば「いま、ここで」の問題に集中できるようになります。

新しい考えを生み出すために、権威ある宣言の代わりに協議や討議が主役になり、質問が答えを同じくらい重要になります。

成功の基準は、参加者が「学び方を学んだか」となり、知識の伝達から組織的なスキル・能力の開発へと重点が移ります。


マネジャーの役割も変わり、学習におけるガイド役として、学習を支援する環境を責任をもってつくり出し、洞察や深い思索を探し求め、社員が情報を収集・解釈・応用できるような条件を整えます。

根底にある前提を繰り返し問い直すことの大切を学び、学習を深めることができます。


学習におけるリーダーシップという点で大きな仕事が3つあります。

① リーダーとマネジャーは、学習に必要な活動を促すような環境、イベントを設計することによって、学習機会を生み出さなければならない

② 適切な雰囲気を培い、望ましい規範や振る舞いを育み、参加のルール定めなければならない

③ 討論の枠組みをつくり、疑問を投げかけ、注意深く聞き、フィードバックと結論を提示することによって、自ら議論のプロセスを主導していかなければならない


学習を行動に移すためにマネジャーは、自らの解釈を具体的な行動へと翻訳しなければならず、そのうえで組織内の相当の部分が新しい行動を採用するように配慮しなければなりません。

新しい行動を追加することと並行して、不必要な、あるいは時代遅れになった業務を排除していくことが大切です。

学習を盛んに行われるようにするために、必要不可欠なことが4つあります。

① 差異の認識と受容

② タイムリーで率直なフィードバックの提供

③ 新しい考え方や未開拓の情報源の追求

④ 誤解やミス、その時々の失敗を改善の対価として受け入れる態度


トップクラスのチェス・プレイヤーもミュージシャン、スポーツ選手が傑出しているのは、その先天的な才能というよりも、むしろ指導者のもとで考え抜かれた練習に費やした時間の蓄積であり、学習が大切です。

時間をかけて自らの経験を反省し、将来のための教訓をまとめようとする企業は、残念ながらほとんどありません。

マネジャーは、過去の取り組みを注意深く検討し、効果のあった実践とそうでないものを判別して、わかったことを利用しやすい形式に記録して、その成果を社員に周知することが必要です。

(明日に続く)

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