ポストコロナ時代を見据えてマネジャーのあり方を考える⑭:厳しい現実に直視する
更新日:2021年10月23日
適応課題に立ち向かうためのマネジャーの行動こそが、すでにご紹介した「3大理論に基づくマネジャーの行動変容」である。
「適応課題」の提唱者であるロナルド・A・ハイフェッツ氏は、『最難関のリーダーシップ』の日本語版への序文で以下のようなメッセージをプレゼントしてくれた。
私たちは、「適応する組織」にならなければならない。
技術や経験は尊いが、それだけではいま直面している課題を前に進めるには十分ではない。
だが幸い、日本人と日本の文化には、「適応」を可能にする強みがあるように私は感じる。
私たちは、この可能性を信じる一方で、厳しい現実にも目を向ける必要がある。
いま直面している課題を適用課題であることを受け入れているか?
技術や管理技術の劣化によって、元来は技術課題であったものが、適応課題になっていないか?
そのために課題の山積み状態をつくっていないか?
私たちは、適応課題に立ち向かう準備と覚悟はできているか?
私たちマネジャーは、いまターニングポイントに立っている。
もうすでに社会は大きく変化している。
大きな変化の時代では、変化に適応できなければ危機を招き、適応しただけでは取り残される。
変化を利用して競争優位性を確立した企業が、新しい時代のメインプレイヤーになるのだ。
私たちは、業務の何%を未来のために投資しているだろうか?
午前6分、午後6分 生産性を向上させれば、一週間で1時間の時間が生まれる。
まずは、ここから未来への投資に使うことから始めてみてはどうだろうか。
これを拡大して、月に1日未来を考える時間を確保すれば、5%の未来への投資となる。
(2日ならば10%、週1日ならば20%)
投資した分の時間が、私たちの未来になるはずだ。
プレイングマネジャーで目の前の業務に夢中になっていると、世の中の小さな変化に気づくことないだろう。
変化の中から大切なメッセージを感知することができなければ、ましてや解釈して意味づけして、腹落ちする仮説をつくることは決してできない。
ハイフェッツ氏の言葉である“バルコニーに上がって眺める”ことをしなければ、世の中で起きている真実をつかむことはできないだろう。
希望のある未来にできるかどうか、いままさしくマネジャーの態度が問われているのではないだろうか。
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