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執筆者の写真田口光彦

ポストコロナ時代を見据えてマネジャーのあり方を考える⑫:3大理論をもとに行動変容する(その3)

更新日:2021年10月23日

※前回の続き


イノベーションとは、1911年にオーストリアの経済学者ヨーゼフ・シュンペーターが「知と知の組み合わせ(新結合)」であると定義しました。

つまり「知の探索」と「知の深化」によって知と知が組み合わされることによって生まれる。

知の探索とは、自分たちが知り得ない知を外に求めていく活動であり、知の深化とは自分たちが知り得ている知を深めていく行為を指す。

この二つの知が相まって(新結合して)新しい知が生まれ、イノベーションへと進化する。

イノベーションへと進化させるプロセスこそが知識創造のプロセスであり、SECIモデルの実践である。


知の探索によって獲得した知見(暗黙知)を仲間に伝え<共同化>、社内に蓄積された知見やノウハウと練り合わされ、新たな概念(形式値)が形成される<表出化>。

社内での対話を重ねることで、概念はやがて理論へと進化していく<連結化>。

新しい腹落ちした仮説に基づいて、更なるチャレンジのより新たな知見(暗黙知)を獲得することができる<内面化>。


VUCAの時代では、SECIモデルを高速で回すことができるが企業に問われる。

環境が大きく変わることは、企業にとって飛躍の機会であり、衰退の脅威である。

このような時代では、環境変化を活用して競争優位性を確保できるか企業に問われる。

環境変化に対応しなければ危機を招き、環境変化に対応しただけでは取り残される。

日本の社会で蔓延しているデフレ気分といち早く決別し、社会が大きく変わろうとしている今こそ、企業変革を成し遂げるチャンスである。


しかし、企業変革の必要性は誰もがわかっているが、企業が変わることは私たちが思っている以上に難しいようだ。

それでは、なぜ企業は変わることができないのだろうか。

最大の理由は、“事業がそこそこうまくいっている” からである。


次回は、企業が変われない本質的な原因に迫りたいと思う。

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