研修効果を最大化する⑨: 上司もマインドセットする
ある小売業の課長と初級管理者全員に4年間にわたるマネジメント教育を行う機会をいただきました。
その際に、全員の研修報告書を読んでいました。
研修報告書の「上司コメント」の欄を読むと、8割ぐらいの管理職が“研修で学んだことを業務に生かしてください”と書いてありました。
書いている本人の顔も浮かぶため、“適当に書いている”とは到底思えませんでした。
そこで気づいたのが“コメントの書き方がわからない”のでは、ということでした。
次の年の課長研修から「上司の関わり方」をトレーニングしたら、その年から研修報告書の上司コメントの質が飛躍的に高まることを経験しました。
この経験から生み出したツールが上司の関わり方標準です。
上司はメンバーの研修参加を最大の育成機会にするために、メンバーがどのような事前課題を行い、研修で何を学び、どのようなアウトプットを出すかを理解する必要があります。
参加者が事前課題として、「上司へのインタビュー」を行います。
「上司の関わり方標準」には、どの場面で、どのようなスタンスで、どのような対話をしたらいいか、その標準モデルを提示してありまので「上司へのインタビュー」も価値ある対話にすることができます。
「上司の関わり方標準」の簡易版が上司への手紙です。
下に「上司への手紙」の一部をサンプルとして添付してありますが、その内容は以下の通りです。
· メンバーの研修参加に上司が関わることの重要性
· メンバーが参加する研修の内容理解
· 上司としての関わる場面とタイミング
· 「上司へのインタビュー」に備えておくこと
· 研修報告の受け方(参加者には研修報告を義務づける)
· 職場実践中の支援方法
· 活動成果をまとめる際の上司としての関わり方
研修前と研修後の上司が関わることで、研修と職場実践が繋がることは世界でも証明されています。
(参考)
そのため、研修に上司を関与する環境をつくることも研修の企画運営者の腕の見せ所となります。
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